適正価格取引を考えるスタートは「お客様ニーズ」です。
適正価格取引を考えるスタートは「お客様ニーズ」です。
要はお客様が欲する物(事)は、障害の有無に関係ありません。
私の経験をご紹介します。行政を巻き込んだ大掛かりな戦略でした。コロナの影響を受けている現在ではすべてが参考にはならないかもしれませんが、考え方などお役に立つ部分が十分あるかと思います。
当時は、私が住んでいる広島も海外からの観光客が右肩上がりで、行政も観光に力を入れ、ホテルをいくら増設してもキャパをオーバーしている状況でした。ホテル勤務の知人と話をした際、悩みを打ちあけられました。
「稼働率が上がらない!!」
こんなにお客様が来ているのに、なぜ?
駅前の大手ホテルでは土日全室満床ですが、掃除が間に合わず、月曜から金曜まで徐々に客室掃除を行い、土日の全客室の準備に備えていました。
つまり、需要があるにも関わらず、平日は部屋掃除が間に合わないために稼働率が上がらなかったのです。
私は話を聞いた際、障害者に適した仕事だと直感しました。
1,お客様がチエックアウト後に掃除に入るため、他のお客様に出合うことがない(仕事に集中できる)
2,空調確認の意味もあり、快適な室温で掃除ができる。
そこで、副知事に相談して、ホテル(企業側)の「商工労働局」と障害者雇用の「健康福祉局」との垣根(縦割り行政)を外し、情報交流をしていただくことをお願いしました。
いわば「観福連携」です。
「広島の観光は障害者就労を支援しています」というキャッチフレーズで行きましょうと提案しました。これは全国でも初めての政策です。
その後、広島市手をつなぐ育成会の施設に企業(ホテル)と掃除ができそうな作業所に集まっていただきマッチングをしました。
側面では、広島市立広島特別支援学校の校長に話をして、学校内にホテルの一室を模擬的に作り、掃除やベットメーキングの訓練をすると、就労率100%になるのではないかと進言しました。
企業が障害者(特に精神)を雇う場合、多くの場合「あなたは障害者だからゆっくりやっていいよ」という言い方をします。
私が思うのはチームを作り、風呂掃除の専門家、台所掃除の専門家、ベットメイクの専門家というように、障害の特性を考えた仕事の配置を提案しました。
しかし、その直後、コロナ問題が起こり、結局自然消滅してしまいました。
この仕事は一部屋あたり〇〇○○円で、時間給ではありません。健常者と賃金条件は同じです。障害者でも訓練して早く掃除ができるようになれば、多くの部屋を掃除して多くの賃金になります。
このように、企業側(世の中)が必要とする仕事であれば適正価格取引ができますし、障害者の賃金差別もなくなると考えます。
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