【輪blog】越後上布の雪晒し

越後上布は新潟県南魚沼市に古くから伝わる平織りの麻織物(夏着物)で、国の重要無形文化財です。

作る工程が並大抵ではなく、まず苧麻と呼ばれる麻を爪で細く裂いて、口に含んでつないで糸を作ります。この糸を地機(人間の力で手で織ります)で3か月ほどかけて手織りします(雪国なので冬に行う仕事だった)。織った布は水洗い後、雪の上に広げて晒します。これを雪晒しといいます。

雪晒しは雪国越後ならではの方法で、色が落ち着いて白はより白くなるそうです。
また年月を経て色があせたり汚れたりした反物もこの雪晒しでよみがえるそうで、これを「里帰り」と呼んでいるそうです。

毎年3月の晴れた日に行われ、今年もその時期がやってきました。

実際に足を運んだのはもう数年前ですが、遠くに山を望みながら、真っ白な雪の上に、早春の日差しを受けてのびやかに広がる反物に、胸の奥まですがすがしい気持ちになりました。

また行ってみたいと思います。

(参考:世界文化社「きものの楽しみ」)

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