【現場インタビュー】職員が製造販売のスキルとつけることと福祉の支援スキルをつけることの関係は?

障害者就労支援B型事業所の自主製品の製造販売。職員の中には、福祉で入ってきたのになぜモノを作ったり売ったりしなければならないのですか、という声も聞こえるそうです。職員が製造販売のスキルとつけることと福祉の支援スキルをつけることとどのような関係があるのでしょうか?

社会福祉法人まつかぜの会で豆のちから(障害者就労継続支援B 型事業所)を運営している柳町美恵子さんに伺いました。

社会福祉法人まつかぜの会
https://mamenochikara.com/

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・なぜ豆腐を作って売っているのですか?
豆腐を作って売る理由は、豆腐は多くの人がほぼ毎日でも食べるものだし、利用者の仕事になるからです。私たちの地域には公共の団地があり一人でお住いの高齢の方がいらして、1丁でも販売に伺うことでその方々にも喜んでもらえ、地域のつながりをつくることができ、利用者にもやりがいを感じてもらうことができるからです。

・どのような豆腐を作っているのですか?
美味しい豆腐を作ることを続けています。障害者が作るからこの程度でいいはダメ。障害者でもこんなにおいしいものができるんだと思ってもらいたい。その考え方を浸透させるまで何度も何度も職員と話しました。お客様に出すのは形もちゃんとした美味しいものだけ。

製造スキルは自己流では身につかないので、しっかりと時間をかけてスキルを習得してもらいました。

この期間に豆腐を作るために福祉に入ったのではないという人もいると思いますが、なぜ豆腐を作って売るのかを何度も何度も繰り返して話します。

・豆腐作りでの職員の利用者への関わりはどのようなものですか?
豆腐を製造する中で、職員と利用者は密接に連携して作業をします。何グラムなにを入れる、何回まわすなど作業の指導や支援、そしてなにが苦手で何が得意か判断したり、できそうなことを引き出したりします。この関わりは単にものを作るということだけでなく、とても重要です。

・豆腐販売での職員の利用者への関わりはどのようなものですか?
実は利用者は販売活動が得意で、お客さんと接し、商品を紹介したり販売したりします。元気でしたかというお客様への声がけもしてくれて、それを楽しみにしているお客様もいらっしゃいます。職員は見守りながら、利用者がお客様と会話することを支援します。私はそれを見守り力といっています。

・豆腐という自主製品を製造販売のスキルと福祉の支援スキルはどのような関係があると思いますか?
豆腐を作って販売することは、福祉そのものだと思います。製造する中で利用者の得意なことを引き出し作業を支援し、販売することで利用者が外のお客さんと接することを見守りながら支援する。さらによりおいしい豆腐を作ることで、作る売るの段階での製造スキルと福祉スキルが磨かれて、結果、利用者に還元する工賃の向上にもつながると考えています。

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みなさんはどのようにお考えになりますか?

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