【Supportersコラム】私が福祉の専門学校で就労支援の授業をしている理由

15年くらい前、就労支援の制度が出来て動き出し、自分も就労支援の生産活動のコーディネーターの仕事を始めた頃、多くの事業所さんを回り、見学して話を聞きました。その中である職員さんから、実は介護の仕事がしたくて就職したのに、あれ作れとかこれを売ってこいと言われて自分が希望したのとは違うという話を聞きました。

その時に就職前に福祉を学ぶ学校でどういう勉強していたのか興味が湧きました。自分の大学の先輩が何人か福祉の専門学校で障害福祉分野の先生をしていたので、この話をしたところ、就労支援に関する内容はそれほど時間を割いていないということでした。ちょうど就労支援が動きだした頃だったので、それなら制度や生産活動に関して学生さんたちに講義をさせてくださいという申し出をして、それ以来、その専門学校で授業をさせていただいてます。

授業は障害福祉を目指している人が受講していますが、就労支援や生産活動について話をすると作ったり売ったりするのが仕事だということに初めて知ったと驚く人が多いです。中にはそういう生産活動が苦手という人もいますが、就労支援の職場を希望するのであれば、それも仕事だということをお話します。学生の時にそのことを理解して、心構えがあって、就労支援事業所に就職するのであれば、希望とは違ったという思いを持たなくてすむと思います。またそういう理解があれば、他の選択肢を選ぶこともできるかもしれません。事前に仕事の内容を理解してもらうのが大事だと思い、それを続けています。

今、就労支援に関して、求められている人材が変わってきています。

福祉か生産活動かではなく、生産活動を通した支援は福祉の仕事だと思います。

特に生産活動では、いろんな人たちと連携しないと仕事ができません。

施設にいて利用者さんだけに向き合うクローズドな世界から、オープンな世界に意識を変えて行かないと、障害者就労支援はちゃんとできなくなってきているんだということを伝えていきたいと思っています。

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