「障がい者の方が生産した商品等(授産製品)の購入経験」の調査から

「障害者の方が生産した商品等(授産製品)の購入経験」の調査から

 

障害者就労支援事業は、障害者への福祉的支援と働く場づくりを行う事業ですね。

働く場づくりをどう行うかは、障害者が活躍できる仕事をどう作るかと同じ意味になるかと思いますが、では、障害者が活躍できる仕事をどう作りますか?

取引企業を探す。障害者が出来る仕事を考える。

これらはもちろん重要なのですが、少し視点をずらして、消費者や取引先に選んでもらう・買ってもらうにはどうしたらいいかと考えてみるのも良い方法です。特別な方法ではありませんが、けっこう忘れがちな方法です。

消費者や取引先に選んでもらう・買ってもらうには、今現在どれだけの人が買っているのか、満足度はどうなのかなどを知ることでヒントをつかむことができます。

ちなみに、障害者が生産した商品等を購入した経験のある人は何%くらいだと思いますか?

この問いに関して興味深い調査がありましたので、ご紹介します。

 

「倫理的消費(エシカル消費)」に関する消費者意識調査報告書」(2020年2月28日、 消費者庁の委託を受け株式会社インテージリサーチが調査を行ったもの)で、エシカル消費に関する意識変化や消費行動の変化等を分析しています。対象は、全国の16~65歳の一般消費者(2803サンプル)です。

*エシカル消費とは、地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のことです。(消費者庁HPより)

この調査の中で、エシカル消費行動の1つとして、「障害者が生産した商品等(授産品)を購入したことがありますか?」を聞いています。回答のまとめは下記の通りです。

 

・障がい者の方が生産した商品等(授産製品)の購入経験は「購入したことがある」が44.3%、「購入したことがない」が33.9%となって いる。  

・性年代別にみると、「女性 50代・60代」は「購入している(計)」(よく購入している+購入したことがある)が63.0%と最も高くなっている。

・エシカル関心別にみると、すべての層で「購入している(計) 」がTOTALを上回っている。

 

いかがですか?ご自身の想像した数字と同じでしたか?

私たちのメンバーの中には、10年前の似たような調査では30%程度だったと思うがこの10年でずいぶん変わってきたんだなと感じる、という感想がありました。

女性50代・60代が中心消費者ではありますが、性別年代別をもう少し見てみると、「女性40代」53.6%に続いて、「男性50代60代」51.6%、「男性40代」46.3%、と、年代によっては男性の2人に一人またはそれに近いくらいの購入経験があることが分かります。

これは消費者像として業界の中に長く定着している「女性50代・60代主婦」という考えに、楔を打ち込むものかもしれません。

今まで障害者施設商品の販売にあたって、どの研修でもどの会議でも男性消費者の話題はほとんど出てきませんでした。しかし今回の男性消費者の購入経験の数字は存在感のあるもので、これも消費者が変化している表れなのかもしれません。変化は徐々に表れるものなので、うっかりしていると見落としてしまいます。

結論を急いではいけませんが、男性消費者という存在に期待を寄せつつ、

どこで何を買ったのだろう?

なぜ買ったのだろう?

満足したのだろうか?

など、知りたいことが出てきます。

 

ここはK-NET!でも調査してみたいと思っています。

今まで注目されていなかった消費者グループ、消費者ニーズが出てくるかもしれません。

 

消費者を知ることで障害者施設商品を消費者に選んでもらう・買ってもらう

それが障害者が活躍できる仕事を作ることにつながってくる

この流れで視点を変えると、今まで見えていなかったものが見えて、改善のヒントがたくさんつかめそうです。

 

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